ごま対談

劇団代表・ごまのはえ対談集。第7回ゲストは山口茜さん(魚船プロデュース)です。

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ごまのはえVS山口茜 2001.12.25収録


第7回ゲスト:山口茜さん

1977年生まれ。ごまのはえと同い年。2000年、「魚船プロデュース」として活動開始。作・演出を手がける。 アトリエ劇研にて、新作『白痴』を1月12日・13日上演。

(注)せっかく写真を撮らせて頂いたのに、誤ってデータを消失してしまいました。髪をふたつに束ねた可愛らしい山口さんを想像しながらお読み下さい。(あほう管理人・重松より)

ACT1:「劇団」と「プロデュース」。

ごまのはえ(以下ごま) 僕達は第8回OMS戯曲賞の最終選考に選ばれた訳ですが。僕なんかは(授賞式の際に)ありがたいお言葉を戴いたんですけど、「もっと勉強しなおしておいで」みたいに。山口嬢のヤツは審査員の方々が「良い」って言ってはったよね。あれはどこが評価されたんだと思う?

山口茜さん(以下山口) ええっ?分からへん。

ごま 僕は良かった、すごい良い作品だったと思うよ。

山口 あ・・・そう?でもホンマに、どこが誉められたのかもうひとつ分かってない・・・ただ書きたい事を書いただけで・・・

ごま まぁ、僕は劇団で、山口嬢はプロデュースという形でやってる訳だけど。僕がどうにかしなきゃって考えてるのが、役者にお金の入る仕事が少しでも来ないとキツいなぁって考えてるのよ。今度の『ごまの宿』も新人にあて書きした作品ばっかりだし。また僕自身、そーゆーのがキライじゃないからね。でも噂によると、山口嬢は「そんなんだから劇団はキライ」みたいな事を以前言ってたって聞いたんだけど。

山口 いや、キライってゆーか、無理って思うねん。才能あっても、いつまでたっても食べれてない役者さんをいっぱい見てるから、そー考えると無理って思う。「怖い」って。

ごま それは役者ひとりひとりに対して責任が取れないって事?

山口 うーん。でも実は劇団にはしたい・・・

ごま えっ、劇団にはしたいの?

山口 うん、本当はしたい。したいよー。でもやっぱ怖い。

ごま プロデュースって、一回だけやったら良いお芝居が作りやすそうなんだけど、劇団の場合は「どーゆー肉体訓練をしていかなきゃいけないのか」というところにいつも行きつくのよね。肉体訓練をしっかりしてないと、場転(=場面転換)ができないのよ。
松田正隆さんが書いて青年団がやった『雲母坂』っていう芝居で、「静かな演劇」と言われている会話劇が、また時間と空間を飛び始めていると。上演時間と物語の時間が一致していない――すなわち、上演時間一時間半のところに、物語としては100年単位の時間をぶちこもうみたいな――唐十郎や野田秀樹的なものを取り入れようという流れになってきているのかなって印象があって。そのなかで山口嬢の最初の作品の『フェイクファー』は会話劇として、時間の流れが結構(上演時間に)合った方だと思うし。それに比べてこの間やってた『他人』とか『初夜に逃げ出した男』なんかは時間的にぶっとび出してるやん?それは何か意図してるの?

山口 それは書きやすいからね、そっちの方が。アングラやし、もともとやってたのが。

ごま 「女アングラ」って感じがすごいするよね、うん。
多分、時空を越えたがっている松田さんの台本を(青年団の)平田オリザが演出するのは、ものすごい気持ち悪いところがあるもんだと思う。でもそれは青年団がやったはる訓練法があるからこそ出来るんだろうし。そーゆー意味で、場転にこだわっていくのは役者の肉体訓練が大切なんだと思うし・・・僕はそーゆー気持ちで劇団をやってるんで、うん・・・劇団にした方がいいって!

山口 いや、したいねんかあ!私だって。ホンマは前回の公演の頃から劇団にしたかってん。したいのはもうホンマにしたいねん!

ACT2:作品『白痴』について。

ごま 今回の作品について聞きたいんですけど。タイトルは・・・『白痴』やねんなぁ。すごい事やるねんなぁ〜。ドストエフスキーの方?坂口安吾の方をやるん?

山口 えっ、そんなすごい?まぁ、両方やるんだけれどね。でも坂口の方が色が濃いかなぁ・・・

ごま 性欲の部分でピッタリ来たんかなぁ?結構、人間関係、セックス関係ばっかりやん?

山口 へ?坂口安吾?

ごま あぁた(貴方)!

山口 エェ!?私!?・・・はぁ、そーやなぁ。

ごま いや、まぁ貴方個人ではないけど(作品の事です)。

山口 あぁー。私個人でもそうかもしれんけど。アハハハハ!

ごま ウフフフフ!
それを、どーゆー作品にしたいの?

山口 うーん・・・まぁ、ただ単純に『白痴』を読んで・・・「あー芝居がしたい」と思ったの。うふふ。

ごま えっ、これはいわゆる、置き換えの作品なの?

山口 実はそんな感じにしようと思ってん、最初は。でもキチンと調べたらまだ彼が生きてるのが分かった(=著作権がある)から、「あぁ、これは自分で書かなアカンわ!」って思って・・・

ごま へぇー、すごいね、ホンマに。

山口 えっ、何で?何がなん?

ごま いやぁ、俺やったらそれに『白痴』ってタイトルはようつけんわー。

山口 私もホンマは違う名前にしようと思ってんか。でも、ドストエフスキーと坂口安吾って、お互いに相手の事気にせずに――まぁ、ドストエフスキーは死んでるんだけど――『白痴』って名前を付けてるやん?それやったら私も別に付けてもいいかなって。

ごま それはそやね。

ACT3:大木湖南はカッコいいか。

ごま 今回、大木湖南が『白痴』に出ますが。彼の第一印象はどうだったんですか?うちの芝居を初めて観たのはいつですか。

山口 『エレベーター』の時ですね。

ごま なんか噂によると、(大木の)第一印象は良くなかったと・・・

山口 アハハハハ。正直、ごまさんの影になってたかなと。でも、『ドン亀(日記)』の時は違ったけど。

ごま まあね。というわけで、第一印象は良くなかったと。

山口 アハハハハ。




ごま 大木のどーゆー面を出そうと考えてるの?俺が思うに、大木が「魚船」に参加した理由は、会話劇を――というか、「感じる演技」を学びに行ったのだと思う。

山口 うん、正にそのとおりやと思う。

ごま どちらかというとうちの劇団も今までそーゆー部分を重要視してなかったというか、肉体訓練に重きを置きがちだったしね。でも、最近は「感じる演技」をやりだしつつはあるのよ。けど『クモノヒモ』で金田淳さんと共演してた時に、僕が散々(大木に)ダメ出してたからね。結構、それが「何とかしななー」みたいに感じたのかも。

山口 でもな、大木君は予想以上にフツーにやらはんで。

ごま あ、そーなん?

山口 やっぱり体が出来てるから、後はちょっと気付いたらいいだけのところですぐにやらはった。「全然いいやん」て思った。

ごま へぇー。じゃあ、今度の作品での彼の見所はどーゆーところ?

山口 「カッコいいところ」!・・・ってゆーか、「カッコいい男の神話が崩れてほしい」みたいな。アハハハハ!

ごま えーっ、もう崩れてるって、充分。

山口 多分、中学・高校の時とかはモテてたんとちゃうかなー。影でな。

ごま ふーん・・・そーなんかなー。(首をひねりまくるごま&立ち会い人・重松)でもな、なんかあの人は「演技すること」=「カッコよくなること」みたいななにかがあるからねー。

山口 アハハハハ!そーなん?

ごま それじゃないのん?

山口 いや、芝居してる時じゃない時の方が一番カッコいいねん、実は。

ごま ・・・・・・

山口 アハハハハ!


ごま えー、では1月12日・13日は「カッコいい」大木湖南が見れると・・・

山口 アハハ!いや、それを物語上では壊したいのよね。「真のショボさ」、実はそれが本当はカッコいいんだよという事を気付いてほしいと思ってるんですけど。

ごま ほぉー。・・・今、最後に流れる曲が見えたような気がするわ。

山口 え?あ、そう?

ごま あの〜、『ジョージア・イン・マイ・マインド』とか・・・

山口 何それ?知らん。どんなん?

ごま コーヒーのCMとかにたまに流れてて、柳ジョージとかが歌ってるヤツ。

山口 「柳ジョージ」って、アンタも古いなあ!

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