ごま対談

劇団代表・ごまのはえ対談集。第6回ゲストはごまのはえです。

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ごまのはえ自分Deインタビュー その2


もう京都はかなり寒いんじゃないでしょうか。特に北区玄琢の辺りは寒いというより冷たいんではなかろうか、あんなとこに住んでる人の気が知れません。なぜこんな書き出しになるかというと今私はジャカルタにいるのです。私達ごま一家は毎年年の暮れが近づくと、慌ただしい日本を離れ、こうして南国ジャカルタで新年を迎えるのが常なのです。
日本橋の榛原で作らせた特製の和紙の年賀状が毎年ジャカルタの消印なのは、そのためです、育ちがよくてごめんなさい。しかしジャカルタはいい、細い竹で編んだのれんをくぐって南国の風がふいてくる、遠くにガムランの響きをきくと、寒い日本、特に北区の玄琢のことなど忘れてしまいそうだ。南国ジャカルタは朝から暖かい、私達が毎年滞在するホテルには蓮池があって、私はここにいるあいだ日暮れになると中国は杭州からとりよせた龍井の緑茶をかごに持ち、つぼもうとする蓮の花にその茶葉をそっと忍ばせておく、そして朝になり蓮の花がひらこうとするとき、こぼれおちる朝露を朝の一服として戴くのを日課としている。朝特に冷える北区玄琢では考えられない贅沢である。
というわけで今回のセルフインタビューはここジャカルタから寒い日本に朝のお茶を戴きながらお届けします。


── 『クモノヒモ』お疲れ様でした。

ごま ・・・

── どうして黙るんですか。

ごま ほっといてくれ。

── それじゃインタビューになりませんよ。

ごま ごめん。

── 謝んないでください。

ごま ・・・うん。

── ・・・やっぱ玄琢は寒いですね。

ごま ジャカルタだって。

── まぁどーでもいいですけど。

ごま ・・・

── 気に入らなかったんですか。

ごま いや、いいお芝居だったとおもうよ、本当に、初めにこのインタビューでも話したとおりニットキャップにつき始めた内輪のふんいきを避け、誰にでも通用する中身だったと思う、完成度も高かったしね。

── じゃあどうして黙るんですか。

ごま ・・・

── 喋りづらいならお酒いれます?チコマートで買ってきましょうか?

ごま ジャカルタって言ってんだろ。

── いいから早く喋ってください。

ごま ・・・これじゃだめだなって思ったのも事実なんだ、スタッフワーク、役者さんに関しては最善のものを見ていただけたとおもうんだけど、なんていうかなんていうんだろ。

── なんですか。

ごま 俺らはこれじゃないなって気がした。

── ・・・あんたね予算いくらかかってると思ってんの、あげくに「これじゃない」って、劇団泣くよ。

ごま ごめん。

── ・・・泣くなよ、・・・いいから、思うことあるなら喋ってごらん。

ごま うん。・・・俺さ、おもうんだけど作品の本質って情報だと思うんだ、みんなが知らないことを書く、それが大事なことだと思うの、だから医者が書いた小説っておもしろいでしょ、逆に文学好きが書いた小説って悲しいほど面白くないじゃん、だから情報をこっちからあっちに移すっていうメディアとしての基本姿勢をやっぱ大事にしたいわけ。

── それはコンプレックスだね、あんた典型的な文学好きだもんね。

ごま そう、俺って専門知識何にもないし特殊な環境で育ったわけでもないし、俺しか知らないことってないんじゃないかって、すごく不安なんだ。

── で、どうしたの。

ごま それで劇団始める前に卒論の先生に「作家になりたいんですけど」って話したら、「だったら資料を使えるかどうかだね」って言われたんだ、あぁーそうだなっておもった、だって、自分のこと書いてもすぐ行きづまりそうに思えたからさ、でも、資料が使えたら作家として倒れることないじゃん、いくらでも書けそうな気がしたの。

── なるほど。

ごま うちの劇団の『そばの花』から『クモノヒモ』までの迷走ぶりってつまりそーゆうことなんだ。

── もうちょっと詳しく。

ごま だから、なんていうか作文じゃなくて物語を書きたくなったの、資料を使って全然他人事を書きたかった、そのなかから偶然自分の分身みたいのがでてきたらなーって思った。

── 作文だといつか書くことがなくなってしまう、それが怖かったんだ。

ごま うん。やっぱ職業としてやりたいからね。

── そのための習作が『そばの花』から『クモノヒモ』だと、こういいたいんですか。

ごま うん。

── ・・・

ごま 怒られるかな。

── まぁ、複雑な気持ちになるだろうね、劇団員も観てくれたお客さんも。

ごま ごめん。でも絶対に必要なことだったんだ。

── 「ことだった」?過去形ですか。

ごま うん。

── なぜ。

ごま 『クモノヒモ』を見てこれじゃないなって思って、今『ごまの宿』の演出をしながら原点に戻ろうっていうか、なんだろ。

── 今度の『ごまの宿』のコントの構成はけっこう初期のコントが多いですよね。

ごま うん、それをみながらやっぱこれだなーっていうか、なんだろ、今ならやれそうな気がするんだ。

── ・・・話がよくわかんないんですけど。

ごま つまり『そばの花』『クモノヒモ』を経験したぶん自分としては結構自信がついたわけ、そのぶんもっと上手く自分の事を書けそうな気がしてる。

── ほう。

ごま 「毛糸の絆」とか「ドン亀日記」とかをもっときちっとできそうな気がする。

── 「きちっと」とは?

ごま 物語としてのうねりがある。

── ほう。

ごま 北杜夫の『楡家の人々』、モームの『人間の絆』、あそこらへんにつながる作品を絶対に作ってみせる。

── あと『ちびまる子ちゃん』ね。

ごま そう、俺がやらなきゃ誰がやるんだ、っていうか俺ならできる、できるはずだ、できなきゃいけない、できなくてどうする、・・・できるかな・・・

── いいんじゃないのそれぐらい自信過剰で、いまんとこお前の財産なんてその口だけなんだから、うぬぼれるしかないよ。

ごま うん。

── じゃチコマートにビール買いにいきますか。

ごま ・・・うん。

私、ごまのはえは今日の昼間にビデオデッキを売りました。7年も前のやつでリモコンもついていなかったので千円にしかなりませんでした。スキヤでカレー食べてホリデイハウスで話し合いをするともう残りは200円ちょいです、寒い夜は酒飲んで寝ます、いつか自分でもびびるくらいの台本を書きたいです、でもそのまえにこの寒さにめげそうです、北区玄琢は本当に寒い、こんなことで若き才能の芽がつぶされていいのか、寒いから台本が書けない、本当にそうなのです、じゃビールを買いに行きます、そして布団の中でジャカルタにでも行きます。

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