ごま対談

劇団代表・ごまのはえ対談集。第1回ゲストはごまのはえです。

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ごまのはえ自分Deインタビュー


私はいま泣いている。しかも東海の小島の磯の白砂に蟹とたわむれながら泣いている。
ここは神戸、T'sバー、泡の細かいハイネケンを出してくれる、流れてくる音楽はフェアグランドアトラクション、もうのっけからわけがわからない、誰も話しかけてくれない、年上の女性も年下の女性も同い年の女性も総てだ、私は無視される、だから泣いてるんだ。そんな夜ははじめよう、楽しい一人あそび、日本がどうなろうと年金がどうなろうと私は平気だ、だって私には一人あそびがあるから、おっとBGMが中島みゆきの『ひとり上手』にかわったぞ、あわせて私もモズクをひとつ注文しよう。でははじめよう『ごまのはえ自分Deインタビュー』。


──台本が脱稿したようで、おめでとうございます。
ごま ありがとう、そう言ってくれるのは君だけだ。
──おもしろいですよ、これ。
ごま ・・・・・・(泣く)
──今回はかなり特殊ですよね、シチュエーションが「林のなかの家」で固定されてるし、三人芝居だし、何よりホラーを目指してるとか?
ごま まずシチュエーションを固定したのは、カッチリした芝居を創りたくなったから、悪く言えばガチガチの芝居らしい芝居を創りたくなった、ライブ的ではないガチガチ芝居ね。
──何故創りたくなったのか?
ごま そーゆー時期なんだと思う、旗あげから三年間やってきてありがたいことに固定のファンと呼んでいい人達もできてきた、そーするとやっぱりそーゆう人達に甘えてお芝居を創っちゃう。
──例えば?
ごま 演出やってても、これぐらいでいいだろとか、これで笑うだろとか計算してやるようになった、前まではお客のことなんか考えずあくまで自分が基準でやってきたのにね。
──それは計算してやる方が正解なんじゃないんですか?
ごま そーゆー才能があればね、でも俺にはないから、そーゆー計算は唯たんに客を甘く見ちゃう結果につながるんだ。さらに役者に固定のファンがつきはじめたから、「ニットキャップシアター」という客までふくめた共同体に何か狭さを感じた、故にガチガチの芝居を創ってはじめて見るお客さんにも楽しんでもらいこの共同体につきはじめた「いかがわしさ」を払しょくしたい。
──「いかがわしさ」?
ごま よくおもしろくない劇団で前の方に座ったあきらかに身内と思われる客が、役者が出てきただけで笑ったり、クソおもしろくないギャグで腹かかえてひき笑いをしてるだろ。
──はい。
ごま それが「いかがわしさ」だ。
──なるほど、ニットキャップもそうなりつつあると?
ごま ・・・・・・

ここで注文したモズクがやってくる、はしですくっても口に運ばずタメ息をつく私、気をとりなおしてインタビュー再開。

──で、三人芝居にしたのは。
ごま まぁさっき言ってたのの延長だね、完成度を高めたいと思って。
──ホラーをやりたいっていうのは。
ごま まぁこの芝居がホラーの範ちゅうに入ってるかどうかは意見がわかれると思うんだけど、俺にとってはこーゆーのが恐いと思って台本を書いた、それに「笑い」より「恐怖」の方がさっき言った共同体をひろげてくれそうな気がして。
──ロンドンブーツ1号2号で笑う人は限られているけど稲川淳二で怖がる人は幅広いってことですね。
ごま そのとおり、頭いいね君は。

やっとモズクを口に運ぶ、調子がでだした。

ごま 今回はね、おもしろいよぉきっと、観どころはまぁいろいろあるけど、プロジェクターと音楽にはこだわりたいね、映像での感情表現、正直言って今まであんまり上手くできてないからね、これを頑張りたい。
──スタッフは超豪華ですね。
ごま そうなんだ何か巨人か曹操かってぐらい豪華だろ、スキがないよ、それから客演の金田淳さん、これがスゴい。
──どういった経緯で決まったんですか?
ごま 二年くらい前かな「魚船プロデュース」っていうとこで共演させてもらったんだ、その時からいつか一緒にやりましょうって話だけはふっておいたの、それで今回あらためてお願いしたらOKもらって。
──嬉しいですか?
ごま そりゃあもう、あんまり言うと本人は嫌がるだろうけど金田さんは鉄砲をもっても恐い役者なんだ。
──と言うと?
ごま 俺らの世代の役者をみまわしてごらん、まともに鉄砲をもったり刀をもったり、「好きだ」とか言えたりする役者がいますか、みんな冗談になってしまう、まぁそこらへんを覚悟して演出家側も客の心に届くように工夫をしなきゃいけないんだろうけど、やっぱり鉄砲をちゃんともてた方がいいし、刀で「死ね!」とか言ったら客席から笑いが来るようじゃいけない、「君の為なら死ねる」っていうようなセリフはたしかに今となっちゃまったくリアリティのないセリフだけど、でもやっぱり言えた方がいいんだ、だってチマチマした芝居ばっかりやってられんだろ。
──ホラーですもんね。
ごま まぁホラーかどうかは別としてね。
──え?ホラーなんでしょ?
ごま うん、俺なりのね。
──・・・あんた、確かホラーとか推理小説とか嫌いだったよね。
ごま 嫌いってわけじゃないけど、まぁ『ちびまる子ちゃん』の方が好きだね。
──何か読んだ?
ごま え?
──この台本を書くにあたって参照した本か映画はありますか?
ごま ・・・『ビートたけし殺人事件』・・・
──・・・・・・

「ラストオーダーだよ」と言ってジェイがカウンターごしに話しかけてくれる、いつしか眠ってしまったようだ。
「じゃあ」と言って私はジュークボックスに向かう、ビートルズの『インマイライフ』、これぐらいセンチメンタルでもいいだろう。店をでて、浜風にあたる。さて、どうやって京都まで帰ろう。・・・・・・

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