八年前から22歳
2001,3,16.
今でも別に年寄りって訳じゃ無いんだけれど、何て言うか、
若い時は、人との縁、とか、係わり合い、とか、そう言うの
適当って言うか、いいかげんだと思う。
一期一会って言葉が有るけど、そう言うんじゃなくて、
一期一会なら一期一会でもその時々に全力を尽くさないって
言うか、まあ上手く言えないけど、「適当に付き合う」
って言うのが、言葉にすると、一番近いかなー。
その時は、そんなこと思ってないんだけど、
そりゃあ、誰彼構わず、全力で付き合う訳では無いんだけども
そう言うのって、相手が居なくなった時に、後悔と一緒に
気づいたりするんだよなー。
若い時はバカなのは、当たり前、(今でもそうだけど)
バカは、何でも人のせいにして物事を自己解決するんだよな、
少なくとも俺はそう言うバカだったよ。でも、やっぱり、
そのうち、どうしても人のせいに出来ない事が有るんだよね、
自分の中で「しょうがない」じゃ済ませられない事がサー。
今となっては、しょうがない事なんだけどさ。
・・・・・なんか、「最初から教えとけよ」ってかんじ。
それで、昔話に成るんだけど、今から八年ぐらい前、
当時お金持ちの、四十歳ぐらいの、オバチャンに飼われていた
事があって、小金を貰って、色んな事をさせられたり、しててさ、
まあ、そんな関係。
なんか、旦那も居たらしいんだけど、おれは会ったことが
無かったね。
それで、其の、おばちゃんに、マイって娘が居てさ、当時おれとタメ 、その娘には、俺の事、取引先の若い衆って事に成ってたんだけど
今考えると、バレバレだったよな。バレてたんだけどね。
そんな事が三ヶ月ぐらい続いてさ、今思うと短い間だったけど
其の頃は、づいぶん長く感じたよ。
ある日、其の娘に呼び出されてさ、おれはスケベ根性丸出しで、
のこのこ出かけたんだ、普通なら、何で呼び出されてるのか、
気づくはずなんだけど、其の娘の親が親だから、俺の感覚も
マヒしてたんだろうな、何故かエロ根性で、出かけてたね。
それで、やっぱり聞かれたよ、その娘の母親との関係を、
その娘の母親が、何をして、何をさせてたか、
俺が、何をして、何をさせられてたか、
その時は、何でそんな事を聞くのか、ただ興味が有っただけだろう
と、思ってたけど、そんな訳無いじゃん、
自分の母親が青田買いしてて、なんとも思わない訳無いのに、
そう言う、考えしか持てなかった俺は、下衆の極み、だね。
あの娘は、いや、だったんだよ、それらの事が、
救ってほしかったんだよ、何かに、その時居た場所から、
現状から、現実から。
そう考えれば、全てのつじつまが合う、
あの時の、娘の表情が、そう言っている。



それから約一月後、その娘は死にました、詳しくは、解からないけど
癌だったそうです。
オバチャンから、呼び出されて、行ったら、色んな事を聴かされたよ
俺とその娘が会って、どう言う話をしてきたか、オバチャンが
聴かされた事、なんで青田買いみたいな事をしてきたかって事、
そして、その娘が最後に言った言葉は「いやだ、死にたくない」
だった事、もう俺を呼び出す事は無いって事。



その時は思ったね、全てはババア、テメーが悪いんだ、って。
でも違う事にすぐ気づいたよ、あの娘が死んだのは、きっと
誰のせいでもないって。
ただ、俺もオバチャンも、俺が俺が、私が私が、ばっかりで、
そこに、優しさなんて、一つも無くて、居たのは醜い妖怪二匹、
ただ一人、自分の母親の事で苦しんでいたのが、マイだったんだ
そして、やっぱり、後悔が残ったよ、何であの時、全部本当の事
を言っちまったんだろう、「君の母親とは仕事上での関係」
って言えば良かった、そう言えば、あの娘が死ななかった、
訳じゃ無いんだろうけど、少しは死ぬまでに、笑える回数が
きっと増えたんだろう、と、思う、俺に何の権利が有って
あの娘を苦しめる事が出来たんだろう、あのオバチャンにだって
そんな権利は無い、今度は俺達が苦しむ番だ。



本当はあの時死ぬべきだったのは、妖怪二匹のほうだったのかも
しれない、あの娘があの時死ななきゃならない理由が見つからない
無理やり理由を付けさして貰うならば、妖怪二匹が妖怪である、と
自覚する、きっかけ、を作ってくれたような気がする。
なにもかも、ぐちゃぐちゃの中で、はっきりしている事は、
あの娘は22歳のままで、俺は今年30に成ろうとしている、
少しは人間に成れたのだろうか。
必死に生きるか、必死に死ぬか
2001,7,22
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